とあるお客様のお葬式と着物の喪服のお話です。
社会人として生活していて、葬儀に出席する機会というものが案外多くて驚くばかりです。
会社でのポジションも関係しているのかもしれませんが、仕事関係の人のかなり広範囲にわたって、どなたかがお亡くなりになると基本的にはわたしがそのお葬式に参列することになります。
はじめのうちは特に何かを気にすることもなく普通に行っていましたが、数を重ねるごとにあることに気が付きました。
社会人として、また時には会社を代表してそのような厳粛な場に赴く場合、ほんの少しの粗相でも大きなミスとして跳ね返ってきてしまうということです。
葬儀の喪服選びで失敗した話
わたしの場合は少し特殊というか、わたしならではのミスではあったかもしれませんが、内容をその場ごとの状況に置き換えたら誰の身にも起こりうることですので、これは全ての方が、特に女性の方は気をつけた方が良いのではないかと思っています。
喪服の種類も沢山あります
葬儀に参列する時は、当然喪服を着ますよね。わたしもそれくらいのことは知っていて、黒のワンピースや、パンツスーツ、アンサンブルなどを着て行っていました。
アパレル関係の業界に身を置いていて、日頃から服装に気を使うのは常識だったので、一着の喪服を何年も着古すということはせず、黒い服だけでも何着も持っていましたし、その時によっていろいろな格好をしていました。
身に着けるアクセサリーはその場にOKのモノでも・・・
もちろんご不幸があった場でのことですので、身に付けるものについては自分なりに気を配り、パールのアクセサリーなどを合わせていたつもりだったのですが、ここに思いがけない落とし穴がありました。
普段のアパレルの癖とでも言うのか、気が付くとついコーディネートが華やかになってしまうのです。
少しだけ親しいというか、家族ぐるみでのお付き合いのある方の関係者の葬儀に出た時、もちろん黒の洋服を着ていたのですが、式の途中でそこの奥様に、アクセサリーが華やかで可愛らしいと言われてしまいした。
嫌味ではないんだけど・・・
その方は本当に気持ちの良い女性で、皮肉を言うようなタイプではなかったので、心から素敵だと思われてそのようにおっしゃったのは間違いありませんが、葬儀の場で華やかだの可愛いだのはまずいですよね??
自分の洋服やアクセサリーに対する感覚がこんな形で裏目にでるとは思ってもみなかったので正直かなり焦りましたし、落ち込みました。
普段はそれで良くてもお葬式の場ではまずいとしか言いようがありません。わたしは、洋服スタイルの喪服を全て封印し、着物の喪服で葬儀に参列する事にしました。
着物で葬儀に参列しようと思う理由
そう言う経緯があり、レンタル着物の喪服で葬儀への参列を思い付いたのです。着物であれば、古くからある伝統にのっとった装いがありますから、着付けをしてもらいながら教えてもらえますし、それに従っていればマナー違反になることはまず考えられません。
アイテム自体がシックに作られていますので、場にそぐわない華美さや可愛さというものが出てしまうのも避けることができます。
年相応の落ち着きや、悲しみを表現するのに、着物でのお葬式への参列はパーフェクトな手法です。
正直、何故もっと早く気がつかなかったんだろうと悔しい気持ちすらあります。
着物は難しいのかなとも思っていましたが、着物の着付けと教室の池田さんの場合は、葬儀会場へレンタル喪服と着付けとセットで出張もお願いできますし、覚えてしまえば自分一人で着るのもそれほど難しくはありません。
着物でのお葬式が自分の中で一般化した今となっては、こういう事ってもしかしたら多くの女性が直面しているシチュエーションなのではないかなと感じています。
洋服って、馴染んでいる分こういった厳粛な場面ではバリエーションが多すぎて逆に難しいです。
その点着物の喪服なら、必要な空気感もすぐに出せますし、レンタル着付けなら葬儀会場までフルセットで持ってきて着付けてくれますので準備も要らず、意外と簡単ですし、解決手段としてすごく良いのでおススメです。
あらぬ空気を出して周りをざわつかせてしまわないためにも、より多くの方がそのようにしたら良いのになと、今となっては思います。